黄泉国から戻ったイザナキは、
「私はなんと醜い汚らわしい国にいたことだろう。私の体を禊をして清めよう」
といって、筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原にいき、禊払いをした。
イザナキが杖、帯、袴など身につけた衣服や装身具を脱ぎ捨てると、そこから神々が現れた。
ここでイザナギは、
「上流は瀬が速い、下流は瀬が弱い」
といい、中流で体を洗い清めることで神々が現れる。
イザナキが左目を洗うと、天照大御神(アマテラス)が現われ、右目を洗うと月読命(ツクヨミ)が現れた。次に鼻を洗うと須佐之男命(スサノヲ)が現れた。
するとイザナキは大変喜んで、
「私はたくさん子供を産んだが、最後に三神の貴い子を得た」
といった。
そして首飾りの玉をゆらゆらと揺り鳴らしながらアマテラスに授けて言った。
「おまえは高天原を治めなさい」
次にツクヨミに言った。
「おまえは夜の国を治めなさい」
次にスサノヲに言った。
「おまえは海原を治めなさい」
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