2005年の春訪ねた静岡の富士山本宮浅間神社は桜の季節ということもあり、花見を楽しむ人々で賑わっていた。この神社の華やいだ雰囲気は桜の季節だからであろうか、それとも、祭神が美しい女神だからか。
祭神は木花之佐久夜毘売命。全国1300ある浅間神社の中心をなす。富士山の山頂にある神社はこちらの奥宮である。
日本武尊が東征の際、現在の山宮浅間神社のある地に創祀。806年坂上田村麿の勅命により現在の地に遷座した。
神社右手奥をすすむと湧玉池がある。富士山の雪解け水が湧出している。古来、富士登拝者が沐浴し体を清めたという。
富士山は美しく大きな山である。古代より霊山として信仰が深かったに違いない。火山としての富士と、炎の中で出産した木花之佐久夜毘売命の物語のイメージを重ねたのではないか。また、木花之佐久夜毘売命の父神が山の神であることも関係しているかもしれない。
近所の保育園児たちが花見がてら遊びにきており、ほほえましい。地域の人々に愛されている神社のようで、帰りに立ち寄った食堂でも神社の桜の話題でもちきりであった。
|