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古事記「アマテラスとスサノヲ」を探る

スサノヲの「心が清く明るいこと」を証明する為、アマテラスとスサノヲは誓約(うけい)をする。誓約とは、吉凶・正邪を判断する卜占の一種で、あらかじめ決めた通りの結果が現れるか否かを見て判断する。以下の場合は、生まれる子が男か女かによって判断している。この種のものを「誓生み」という。

この場面で誕生した神々の中で、天之忍穂耳以外は地方豪族の長であるとする説もあるが、この中には実際にアマテラスの子やスサノヲの子もいたのではなかろうか。

古事記 「アマテラスとスサノヲ」あらすじ

「あなたの心が清く明るいことを、どうして知ればよいのか」
アマテラスがというと、スサノヲが答えていった。
「それぞれ誓約をして子を生もう」
そこで、天の安河を中に挟んでそれぞれ誓約(うけひ)をした。

先にアマテラスがスサノヲの十拳剣をもらい受け、三つに打ち折って、天の真名井の水に振りすすいだ。これを噛みにかんで、吹き棄てた息吹の霧の中から生まれた神の名は、多紀理毘売命(タキリヒメ)、市寸島比売命(イチキシナヒメ)、多岐都比売命(タキツヒメ)

スサノヲがアマテラスの左の鬟に巻いてあった玉の緒をもらい受けて天の真名井の水に振りすすいで、これを噛みにかんで、吹き棄てた息吹の霧の中から生まれた神の名は正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)。
同じようにアマテラスの右の鬟に巻いてあった玉の緒から天之菩卑能命(アメノホヒ)が、御鬟に巻いてあった玉の緒から天津日子根命(アマツヒコネ)が、左手に巻いてあった玉の緒から活津日子根命(イクツヒコネ)が、右手に巻いてあった玉の緒から熊野久須毘命(クマノクスビ)が生まれた。合わせて五柱。

アマテラスがスサノヲに告げた。
「後に生まれた五柱の男子は、物実が私の物によってなった。だから私の子である。先に生まれた三柱の女子は、物実があなたの物によってなった。だからあなたの子である」
そう言って区別した。

古事記 「アマテラスとスサノヲ」語句解説

天の安可河(あめのやすかわ):
高天原にあると考えられた聖なる川。

天の真名井(あめのまなゐ):

高天原にある聖なる泉。

物実(ものざね):
もとになるもの。材料。

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(1999/4/21)