スサノヲはアマテラスにいった。
「私の心が清く明るいから、私の生んだ子は女の子だったのです。だから私が誓約に勝ったのです」
スサノヲは勝ちに乗じて、アマテラスの田の畔を壊し、田の溝を埋め、またアマテラスが新嘗祭を行なう神聖な御殿に屎を散らかした。
しかしアマテラスはとがめることなく、
「屎のようなものは、酔って吐こうとして弟はしたのでしょう。また田の畔を壊し、田の溝を埋めたのは、土地がもったいないとして、弟はしたのでしょう」
とスサノヲの行動を善いように言い直したが、スサノヲの悪態はおさまることがなかった。
アマテラスが機織屋にいて、機織女に神御衣を織らせていたときのことである。スサノヲはその機織屋の棟に穴をあけ、馬の皮を剥ぎ取って落とし入れた。これを見て驚いた機織女が梭で陰部を衝いて死んでしまった。
この様子を見ていたアマテラスは驚いて、天の石屋の戸を開いて、中に閉じこもってしまった。すると天高原はすっかり暗くなり、葦原中国もことごとく暗くなった。永遠の闇が続いた。邪神の騒ぐ声が蝿のように満ちて、あらゆる禍が起こった。
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