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古事記「大蛇退治」を探る

ここでは三種の神器・草薙剣の起源が語られている。
この霊剣がアマテラスに奉献されているとするのは、後に加えられた要素とみられる。草薙(くさなぎ)とは、後にヤマトタケルが野の草をなぎ払って、火難からのがれたことによる命名である。

古事記「大蛇退治」あらすじ

アシナヅチ・テナヅチ夫婦から少女との結婚の約束を取り付けたスサノヲは、まずその少女を櫛の姿に変え、御角髪に刺した。

そしてスサノヲは、アシナヅチ・テナヅチに命じた。
「濃く強い酒を造り、垣を造りなさい。その垣に八つの門と、門ごとに八つの台を造り、その台の上に酒船を置いて、酒船ごとに強い酒を盛って待ちなさい」

スサノヲの言うとおりに準備をして待ちうけると、八俣の大蛇がやってきた。
大蛇は酒船ごとにそれぞれ自分の八つの頭を垂れ入れて酒を飲んだ。 酒に酔った大蛇はその場に伏し寝てしまった。その時、スサノヲが十拳剣を抜き、大蛇を斬ってバラバラにしてしまった。肥の河の水は血に染まった。
スサノヲが大蛇の尾の中ほどを斬った時、剣の刃が欠けたので、剣の先で大蛇の体を刺し割いてみると、見事な太刀があった。この太刀は不思議な物だと思ったスサノヲは、その太刀をアマテラスに献上した。これが草薙剣である。

その後、スサノヲは出雲国に新居を求めた。そして須賀の地についた時、「ここに来て、私の心はすがすがしい」と言い、新居の宮を造った。初めて須賀宮を造った時、雲が立ち上ったので、スサノヲは歌を詠んだ。

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を

そしてスサノヲはアシナヅチを呼び、須賀宮の長とした。

古事記 「大蛇退治」語句解説

酒船(さかぶね):
酒を入れる器物。酒桶。

須賀(すが):
島根県大原郡大東町須賀。

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに・・・・・ :
「盛んに湧き起こる雲が、八重の垣をめぐらす。新妻をこもらせるために八重垣をめぐらすことよ。あの見事な八重垣よ」
新婚と新築を祝う歌。日本和歌の初めといわれる。

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古事記を探る

(1999/5/19)