●特徴
「神代の万国史」といわれる『竹内文書』。その内容は全世界規模であるが、他の文献とくらべて異質である。キリストやモーゼ来日の記述もあり、作為的要素が多分にあるが、『原竹内文書』の存在を思わせる。神系譜の体系などから『九鬼文書』との類似性が認められる。また『上記』との関連性も指摘されている。●成立
神代文字で記された伝承を武烈天皇の勅命により武内宿禰(たけのうちのすくね)の孫の平群真鳥(へぐりのまとり)が漢字カナ交じり文に訳したといわれる古文書。平群真鳥は国政を専断したとして、朝廷軍に討伐され滅ぼされている。
●公開
平群真鳥の子孫である竹内家が富山県の赤地神明宮の神主として伝えてきた。竹内家に養子に入った竹内巨麿が文書を公開したが、昭和12年不敬罪で起訴される。裁判の証拠品として文書が押収され、戦時中の空襲により焼失。戦後、巨麿の子、竹内善宮がその内容を伝えている。
●内容
天神七代(宇宙開闢で神々が活躍した)の後、「天浮船」に乗り宇宙の彼方から神が降臨し上古二十五代の時代をつくる。超古代文明が栄えるが、末期の内部抗争により地球に大異変がおこる。
その後、ウガヤ朝七十三代時代となるが、引き続き異変が起こり、ウガヤ朝は滅亡する。不合朝の最後の天皇が神倭朝の初代神武天皇である。
越中富山が、日本だけでなく全世界の中心であったと伝えている。また、ムー大陸やアトランティス大陸を連想させる二大陸や、世界には「五色人(黄人、赤人、青人、黒人、白人)」が存在したと説いている。
●もう一つの竹内文書
竹内家には竹内巨麿とは別系で、武内宿禰姓を世襲している家系(南朝竹内家)がある。南朝竹内家は、武内宿禰の墓があるという越中の二上山を祭祀拠点とし、門外不出の口伝を中心とする古神道を代々伝えている。外伝として文書なども伝えられている。この文書は『竹内文書』との共通部分もあるが、本質的には別のものであるらしい。
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