●特徴
徐福が渡来し、富士山麓に伝えられていた超古代以来の歴史を漢字で記したものとしている。富士山麓に高天原があったとし、富士山麓中心の世界が展開される。伝承の一致から『上記』との共通性が認められる。●成立
古代日本(孝霊天皇時代)に秦の徐福が渡来し、富士太神宮の神官が伝える超古代以来の歴史を漢字で記したものが原本とされる。このことから『徐福文献』ともいう。徐福は、秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて、派遣された人物である。
●伝承
太神宮の宮司である宮下家に伝えられ写本が残っている。このことから『宮下文書』とも呼ばれている。
●内容
『古事記』等では日神となっているアマテラスが地神となっている。また、アマテラスはスサノヲと姉弟ではないとしている。スサノヲはタカ王とも呼ばれ、高天原を占領しようとした。その後、八千の軍勢がスサノヲほろぼした。
『富士文書』ではウガヤ朝が五十一代続いたとしているが、その間の王妃による摂政治世を含めると七十代以上になるという。『上記』と類似するところである。
神武天皇以降で興味を引くのは、ヤマトタケル伝説である。『富士文書』でのヤマトタケル東征の目的は富士高天原王権の復旧を企てて、富士周辺や東北地方の豪族が兵を挙げたとしている。
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