コラム(2011,2010年)
▲最近の記事
( 記事一覧 )
◆2011/11/08 気持ちをこめる
◆2011/09/02 待つこと
◆2011/08/29 結果が全てか
◆2011/08/19 生かされている
◆2010/09/18 勇気づけ
◆2010/09/15 お片づけ
◆2010/09/11 試行錯誤しながら遊ぶこと
◆2010/06/13 「はやぶさ」帰還
◆2010/05/25 こわれてわかるありがたさ
◆2010/05/23 超能力よりもすごいもの
◆2010/05/21 never to walk in anyone's shadow
◆2010/05/17 室内の雰囲気づくり
◆2010/05/16 土の役割
◆2010/05/11 不足しているから考える、考えるから楽しい
◆2010/05/06 子どもの感性
◆2010/04/28 「どうぞ」「ありがとう」
◆2010/04/23 「バリアフリー」ならぬ「バリアづくり」
◆2010/04/22 福田寺の和尚様
◆2010/04/20 一歩ずつ
◆2010/04/14 絵本朗読会
◆2010/04/13 井上ひさしさん
◆2010/04/11 時計
◆2010/04/10 ドールハウス
◆2010/04/09 小さな小さな光をね、大きく大きく育てよう
◆2011/11/08 気持ちをこめる
ある本の中に、ある4こまマンガの詩が引用されていました。
そのマンガは、以前息子が小学校の図書館から借りてきたことがあるので記憶に残っていました。詩は以下のとおりです。
シッタカブッタは幸福をさがしに
何年も歩いていたが
歩いても歩いても見つからなかった
シッタカブッタは休んで考えた
シッタカブッタはさがすのをやめて
歩くことを楽しみはじめた
幸福は歩くことそのものにあった
(出典)
ブッタとシッタカブッタ〈3〉なぁんでもないよ/小泉吉宏
わかりやすい言葉ですが、お子様のありのままを受け止め、自らの遊びを大事にするこもれびの方針と通じるものがあります。
子どもたちは、本当に身の周りのいろんなものやことを楽しむことができます。その楽しむ力を育みたいと思っています。
大人にとっても、楽しむことは大事だと思います。上の詩の「歩く」の部分を、「働く」、「遊ぶ」、「学ぶ」、「生活する」、「子育てする」、「トレー
ニングする」などいろいろ置き換えてみるのもよいかもしれません。
そもそも楽しむことが簡単ではないかもしれませんが、今やっていることやもの、相手にたいして少しでも多くの気持ちをこめることができればと思いま す。
◆2011/09/02 待つこと
今回は「待つこと」について
大切なものや、大事なことにたいしては、待つことをします。おいしいお店では長い行列でも長時間待ったりします。
急ぐと、できなかったり、不十分になることがわかるから、待ちます。
子育ても、基本は待つことだと思います。
こもれびは、お子様の創造力や自立性を大事にしています。
そのために大切なのは、環境をつくり待って見守ることだと思っています。
事柄にもよりますが、教えたい・やらせたいという気持ちを少し押さえて「待つ」ことで、自らつかみとるチャンスが生まれます。結果を急いで、やらされ
ることが当たり前になると、自ら身につける力はしぼんでしまいます。
では、どこまで待つか。日常生活のひとつひとつ待てませんから、周りが受け止められる範囲で。
子どもは、可能なときは待ってくれるという安心感・信頼感を元に、待ってもらえない状況も少しずつわかってくれるようになると思います。社会的なルー
ルもそうした体験を通じて身に付いてくると思います。待てないことが多いのも実情ですが、、、
自分でやろうとすることや体験しようとすることには、じっくり待って時間をかける価値があります。そうして生まれるお子さまの目の輝きを大事にしたい
と思っています。
◆2011/08/29 結果が全てか
今回もこもれびの想いに関連して書いてみます。
「結果が全て」とよく言われます。建前はともかく、本音はやはり結果が大事という声は根強いと思います。成果主義という言葉も当たり前のようになって
久しくなります。
確かに結果はやる気を生み出す力になってくれるので大事だと思いますが、結果ばかりに目を奪われてしまっていないでしょうか。
結果はあくまでも、付録としてついてくるようなものだと思います。
それは成果物にかぎらず、地位や名誉だったりお金だったり健康だったりするかもしれません。
偶然うまくいくこともあれば偶然うまくいかないこともあります。そしていずれなくなります。
結果が全てで勝ち負けを目的とするならば、少なくとも人生の最後は全員負けで終わってしまうことになります。そのようなことに価値を置きすぎるのはあ
まり望ましくないと思います。
結果を励みに努力することは大事ですが、結果にとらわれてしまっては本末転倒になってしまうかもしれません。
その前に、それぞれの役割や持ち味の価値に気付くことができればと思います。
◆2011/08/19 生かされている
こもれびの方針は、お子さまのありのままを受けとめ、お子さまの自立性と社会性を育む保育を地道に実践することです。このこもれびの方針に関連した想
いを書いていきたいと思います。
「なぜ私は今ここにいるのか」
思春期の頃など、多かれ少なかれこうしたことを考える時期があります。そのことに何らかの決着をつけてみなさん生活しています。考えても仕方ないから
あまり考えない、宗教に答えを求める、などいろいろだと思います。
私はとても不思議に思っていました。子どもの頃、学校からの帰り道ふと「この帰り道のことは年取ってからも覚えているんだろうか」と思ったりしまし
た。そもそも、長い長い歴史の中に比べると一瞬にすぎない今の時間にどうして私がいるのか。
そのうち、自分の命は自分だけのものだと考えてしまうと、この疑問は解けないと思うようになりました。周りとは別に独立した自分というものがあると想
定すると、自分が今ここにいることがあまりに奇跡的な偶然になってしまいます。
「周りのヒトやモノに支えられた命として生かされている」ことに気付くとき、答えに近づいたように思います。
(つづく)
◆2010/09/18 勇気づけ
「勇気づけ」ついて
ただほめるだけでは、子どもに伝えたいことは伝わらないと思います。子どもの立場にたっているかどうかが必要だと思います。
例えば、こちらの都合で我慢してもらったりやってもらったりしたときは、ほめるというよりも「ありがとう」という言葉が適当だと思います。
自主的に何かできた場合には、見逃さずに「よくできたね」「よくやったね」と勇気づけることが大事だと思います。
当園ではたくさんの勇気づけができるよう努めてまいります。
朝のお集まり 9/16(木)
◆2010/09/15 お片づけ
<お片づけについて>
遊びの中で、子どもたちはいろんなおもちゃに興味を持ちます。
少しの間に部屋中がおもちゃや道具でいっぱいの状態になったりします。
当園の生活の中では、お片付けも含めて、大人や大きいお子様の姿を見て、自然に身につくことを大事にしています。
言葉でわかりやすく説明することは必要です。
しかし言葉は気付きのための補助手段にすぎません。言葉だけでは、やらされるものだという思いばかりが定着してしまい、却ってそのことが嫌になるかもしれません。
お掃除やお片付けを身近に感じるように育むには、大人が率先してお片付けをしたりしながら、気持ちよい環境づくりをしている姿を見てもらうことが大事
だと思っています。
そしていっしょに手伝ってくれたときに、「ありがとう、きれいになると気持ちいいね」といった言葉が活きてくると思います。
9/13
◆2010/09/11 試行錯誤しながら遊ぶこと
<遊びについて>
当園では、自由遊びを大切にしています。
もちろん、運動あそびや、リトミック、お話しや、造形、料理体験、、などなど
保育士が日々イベントを織り交ぜて、お子さまに遊びの誘いをします。
大切なのは、大人が考えた結果に無理にお子さまをはめこもうとしないことだと思っています。
提供されたものをうまく型どおりこなす訓練が大事な場合もありますが、あまりそのことが強すぎると、お子さまが本来もっている力まで抑え込むことにな
ります。
遊びを通じて、子どもたちはどうやったら新しいことが創れるかを自ら考えています。
そしてできることできないこと、楽しいこと、つらいこと、お友達とのかかわりを体験として身につけていくのだと思います。
その創造する力、体験の場を横からそっとサポートするのが我々の役割のひとつだと思っています。
いろんな方法はあると思いますが、「試行錯誤しながら遊ぶこと」が、
将来の基本の力になると当園では考えています。
(ハイビスカスと夏スミレ)
◆2010/06/13 「はやぶさ」帰還
いいこともわるいことも目をそらさずに見つめたうえで自己肯定感をはぐくむことは、大人にとっても大事だと思います。さらには日本人として生活させて
いただいている以上、お互いに日本人として尊重しあえることも大事だと思います。
今晩、小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に還ってきます。満身創痍になりながら長い宇宙の旅から、使命を果たして帰ってきます。(本体は大気
圏で燃え尽きてしまうようで残念ですが)。久しぶりに日本人としてうれしいと思えるニュースなので今晩は乾杯したいと思います。
(探査機はやぶさ/JGarry at en.wikipedia)
◆2010/05/25 こわれてわかるありがたさ
昨日、携帯電話が壊れて、修理にだしました。
身近にあるものほど、当たり前になり、ありがたさも感じませんが、壊れたり失くしたときなって気付いたりします。(しかし、携帯電話は修理中も代用機
をお借りできる便利さです。)
時々は、もともと何ももっていなかったことを思いだして、出会いに感謝できればいいなと思いました。
(代用の携帯電話)
◆2010/05/23 超能力よりもすごいもの
時々、「霊」が見えたり、「霊界」と通信できたりという話を聞くことがあります。
それはそれで、すごいことかもしれませんが、それが自分や周囲に不安を与えたり、いい影響を与えないのであれば、あまり取り上げることではないことか
なと思います。
むしろ、子どもたちが日々成長していく力こそ、はるかに驚くべきことだと思います。
◆2010/05/21
never to walk in anyone's shadow
never to walk in anyone's shadow
"The greatest love of all (Whitney Houston)"
の歌詞カードをいただきました。
自らの輝きを信じて道を歩いていけるように、
そこから本当の自由が感じられる人間になれますように。
子どもたちが自らもっている輝きがありのまま伸びていきますように。
◆2010/05/17 室内の雰囲気づくり
人として楽しく暮らしていくには、周りの人のこと思いやれる社会性を身につけることが大事です。
やさしさや思いやりの気持ちを育む上で、空間の雰囲気づくりも大事だと考えています。
なるべく既成の刺激が強いデザインにならないよう、手作りで木のぬくもりややさしさが感じられる室内作りに努めています。
◆2010/05/16 土の役割
昨日は、懇親会がありました。
園の植栽もやっていただきました造園家の方のお話。
植物たちにとっては、日光と日々の手入れ水やりとともに、土が大事。
土をしっかりしてあげれば、植物も生き生きと育ちます。
いくらきれいな花で飾りつけようとしても、土がだめではうまくいきませんとのこと。
(園の植栽の際には、造園家の方に土から手入れしていただきました)
土の役割は、水分養分をたたえて、伸びようとする植物の力をしっかりと支えてあげること。お子様をあたたかく見守り、勇気づけることと重なります。毎
日植栽を見て、よい土の役割になれるよう思いを新たにしたいと思いました。
◆2010/05/11 不足しているから考える、考える
から楽 しい
保育園スタッフとのミーティングでの話。
楽しさやおもしろさは、考えたり、創造するところから生まれてくると思います。
一方で、満ち足りた状態だったら、工夫したり考えたりする必要があまりありませんから、楽しむ力も弱ってしまうかもしれません。
だから、自分の周りに不足していることを感じたり、弱さをかんじたら、考えるチャンスが与えられているんだなと思いたいですね。
(少欲知足(欲を少なくして足ることを知る。お釈迦様の教え)の域に達しないまでも、、、)
以前ブログに書きました「バリアづくり」の話と似ているかもしれません。
◆2010/05/6 子どもの感性
毎朝、新聞を配達されている少し年配の方に園の前で出会います。いつもとても気持ちのいい笑顔であいさつしてくださいます。昨日はこれ余るからと、新
聞を一部くださいました。その中に「金田一秀穂教授に聞く」という記事がありました。
子どもの表現力が乏しく、気にくわないことがあると、すぐに「うざい」「きもい」と表現し、キレてしまうことを心配する声に対して、
子どもに表現力が足りないのは当たり前のことで心配ありません、むしろ今の大人たちは言葉を絶対視しすぎていて、ついつい言葉に変えてすばやく始末し
ようとする傾向がある。
むしろ言葉でうまく表現できない不定形なものをかんじとれる子どもの感性を持ち続けることが豊かな大人になれることかもと。
◆2010/04/28 「どうぞ」「ありがとう」
ひとは誰もが輝きをもった存在です。
そのありのままのすばらしさに、日々気づくことが大事だと思います。
お子さまに対しても、大人の思いをすこしおさえて、お子さまの今のすばらしさに注目すること、気づくこと、お子さまの輝きを引き出すお手伝いもそこか
らはじまると考えます。
昨日はご予約の方が少なかったのですが、2歳のお子さまに一時保育で来ていただけました。
とっても車が好きで、車のおもちゃをたくさんならべるといろいろ教えてくれました。
ブルドーザー、ゴミ収集車、パトカー、かっこいい車、黄色い車、白い車、、、
そして時々先生に車を「どうぞ」、先生はすかさず受け取りながら「ありがとう」。
なにげないけど、とてもすてきなやりとりです。
おもちゃの家では、いろんな窓から顔をのぞかせて輝く笑顔を見せてくれました。
◆2010/04/23 「バリアフリー」ならぬ「バリア
づく り」
本日は同志社大学で運動を研究されている田附教授と打ち合わせさせていただきました。その中でのお話。世の中バリアフリー化が進んできています。それ
も大切なことなのですが、子どもたちにとっては、あえてバリアフリーの逆でバリアのある環境を用意することで、考える刺激を生み出すことができるとい
う話。安全を大きく損なう障害物は当然取り除いていくべきですが、適度な障害物は、かえってあったほうが、考えて行動することにつながり、日常の運動
にもなるのではないでしょうか。
園でも脳と体をほどよく動かすような「バリアづくり」も考えていきたいと思います。
◆2010/04/22 福田寺の和尚様
たいへんお世話になっています和尚様から、本を送っていただきました。
和尚様は神戸市北区にある福田寺という禅宗のお寺のご住職で、毎週土曜日に坐禅会を開催されています。
いただいたのは「古代大和を歩く」(産経新聞出版)という本です。和尚様の御身内の方が50年にわたって現地を散策し書きためた資料を纏め出版された
そうです。
やりたいことを少しずつでも積み重ねていくすばらしさを感じました。
福田寺は源義経にも所縁のあるお寺です。
◆2010/04/20 一歩ずつ
その人その時に合わせて、今の実力よりも少しだけ高い目標を設定すると、やる気がでてきます。簡単すぎず難しすぎず、調度よく。いっぺんにやろうと思
わずに一歩ずつ。その積み重ねが楽しくなりますように。
◆2010/04/14 絵本朗読会
先月20日にオープニングイベントを行いました。
イベントではプロの朗読家にお越しいただき、金子みすゞさんの詩や「動物たちのおしゃべり(山崎陽子/絵ミルコ・ハナアク)」のすばらしい朗読をして
いただきました。また絵本の良さについても丁寧に語っていただきました。
青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼に見えぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
(金子みすゞ 星とたんぽぽ より)
大切なことはなかなか言葉にはできないかもしれません。けれども人は言葉を使って考えるから、いい言葉・あたたかい言葉にたくさん触れることが大切な
のかもしれません。
◆2010/04/13 井上ひさしさん
作家の井上ひさしさんが9日亡くなられました。
相手を尊重することが大事とわかっていながら、子どもに対しては、つい尊重することを忘れて、教育という名のもと束縛ばかりしていないだろうか。また
自分自身も知らないうちに世間の偏った常識にとらわれていないだろうか。自由な発想でそうした束縛から抜け出そうとする子どもの立場に立った井上氏の
作品が印象に残っています。おもわず笑いながら気づかせてくれるのは最高の教え方だなと思います。
◆2010/04/11 時計
園の時計です。毎日かけがえのない時間を刻んでいます。
時間に追われて、つい時間どろぼうに持って行かれそうになるこの瞬間を
大事に、豊かに過ごせますように。
こもれびのロゴについて
西宮こもれびキンダーガーデンのロゴは、子どものもつ「輝き」と、それを「うけとめる」木によって、気持ち良い「こもれび」の空間をつくりだしていき
たいというイメージを図にしたものです。お世話になった先生のご紹介により保育園経験もあるデザイナーの方に作成していただきました。自然なやさしさ
あたたかさを感じていただける作品に仕上げていただきました。
◆2010/04/10 ドールハウス
園の柱に飾ってあるドールハウスです。
大学の理事をされ、人材の研修コンサルティング業務等を手掛ける会社を経営されている一流の先生からいただきました。開園したての者がコンサルティン
グを依頼させていただける方ではないのですが、開園にあたりあたたかいお気持ちを注いでいただきました。人を大事にする気持ちが園からあふれて出てく
るように、ドールハウスが壁から見守ってくれています。
ドールハウスは先生の尊父様の手作りです。ご来園の際はぜひその見事な作品をご覧いただければと思います。
◆2010/04/09 小さな小さな光をね、大きく大きく
育てよ う
本園4月から本開園いたしました。理事長の大國です。
園の様子や想いを綴ってまいります。よろしくお願いいたします。
昨日、子育ての会(アドラー心理学にもとづく教育学習)でお世話になった事務局リーダーの方からすてきな絵葉書をいただきました。
園の想いをこめて、ブログのはじめに掲載します。